始めよう!ソーシャルワークシェアリング

「報酬改定があっても揺るがない就労A型の強み」【始めよう!ソシャワ】 vol.9

2021年5月に神奈川県川崎市多摩区にて開業した「ほまれの家登戸店(ほまれの家グループ、運営:Future WINGS株式会社)」、2022年4月に神奈川県相模原市にて開業した「インフィニピー小田急相模原(ほまれの家グループ、運営:インクルクー株式会社)」それぞれのオーナーの今野洋代表と奈良有樹代表の実体験をもとにして、就労継続支援A型事業所の開業、およびソーシャルワークシェアリングという新しい社会概念の普及までの道のりを連載でご紹介していきます。第9回のテーマは、「報酬改定があっても揺るがない就労A型の強み」です。

第1回「就労Aの仕事受注の誤解」
第2回「就労Aの物件探しのポイント」
第3回「人材採用と資金調達」
第4回「就労Aの仕事獲得の重要ポイント」
第5回「就労Aの資金調達の重要ポイント」
第6回「就労Aの事前相談の重要ポイント」
第7回「指定申請の突破術」
第8回「サービス管理責任者の要件」

2021年報酬改定と今後の就労Aの見通し

当日の実践会では、「報酬改定を受けての、今後の就労継続支援A型事業の見通し」についても話が展開されました。(※2021年3月度実践会の開催時点)

基本報酬の見直しにより、「今までは平均労働時間だけで見られていたのが、より厳格になっていく」という見立ての解説がされ、

・労働時間

・生産活動

・多様な働き方

・支援力向上

・地域連携活動

という5つの項目に分けて点数をつけ、「200点満点中何点か」によって基本報酬が変わるようになっていくという、当時の報酬改定に関する解説がされました。

そして、国保連からの収入以外の事業収入(=+α)があることが、就労継続支援A型事業の強みであるということが改めて説明されました。

実践会での質疑応答を一部ご紹介

当日最後の質疑応答タイムでは、事前に挙げられた質問や当日の実践会を受けて沸き上がった疑問に対するQ&Aが行われました。参考までに、当日のQ&Aの一部をご紹介します。

Q. 行政対応における注意事項は?

A.「ふらっと、なんとなく相談に行く」のは辞めた方が良い。「事前協議」の前の「事前相談」の段階で、どのエリアで、どんな仕事内容を、どんな事業計画で行うかを具体的にしておく。仮に、グループホームなどですでに社会福祉事業を運営していたとしても、しっかりと計画を練ってから行く方が良い。

Q. 就労継続支援A型事業とグループホーム事業は、同一建物(併設)でも大丈夫なのか?

A. 行政の判断次第。フランチャイズ加盟店に事例はまだない。「グループホーム利用者を無理やりA型事業所にも」というのは、行政から注意される。利用者の希望があればもちろん良いが、ニーズ調査が必要な行政もある。

Q. 物件探しに苦戦している。なにか良い方法はないか?

A. 不動産屋さんに依頼することと、ネット検索以外の方法として、アナログだけど開業したい地域を散歩がてら歩き回るのが良い。そもそもアナログな不動産屋さんも多いので、ネットに物件情報が載ってないことがある。歩いて探すしかない。

フランチャイズ本部の吉田氏も、地域をドライブしながら見つけた(2事業所ともに)。駅からの導線や近隣のお店、コンビニなど、利用者の利便性を考えながら物件を探すのが良い。利用者目線で、「最寄り駅等からの通いやすさ」「お昼休みに近所のお店に行くので、コンビニやスターバックス、マクドナルドなどのチェーン店があること」なども物件選びにつながる。また、コロナの影響もあり好立地でも空き物件が増えた。

Q. 仕事の獲得について

A. 指定申請時と実際に行う仕事内容は違っていても良い。ただし、現実的じゃない単価などは行政もわかるので、現実的な事業計画をつくること。また、実際に開業すると仕事の依頼が来ることもある。ただし、良い仕事を獲得するのがオーナーの仕事であり、オーナーの努力次第。しっかり営業できるかどうかが、事業成功のキーになる。

自分の頭の中だけで考えず、親しい経営者に相談に行くのが良い。どんどん経営者と会って、就労継続支援A型事業について話をしてみる。仕事をもらえるかどうかは別として、他の経営者を紹介してくれたりする可能性がある。

他にも、「サビ管はグループホーム事業と兼務できるのか」「利用者が定員を超えても良いのか」「物件の広さの理想は」「融資、資金調達について」などの質疑応答がされました。個別の質問・疑問に関しても対応できるのは、協会というコミュニティならではのメリットではないでしょうか。

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